令和5年第3回の打太刀講習会を開催

 新陰流正伝上泉会は令和5年9月10日(日)、「打太刀講習会」を開催しました。伝位が目録以上の上級会員が対象で、新陰流の正伝を間違いなく伝えるための研修です。従来は不定期で実施していたものを定期的に開催する公式行事にして、令和5年では4月、6月に続く定期開催の3回目です。

 一対一で向き合う普段の稽古では指導者によって微妙にずれる可能性のある技を、統一したものに整えて正伝を間違いなく引き継ぐのが狙いです。今回は前回に続き「続雷刀」の後半の研修でしたが、今後はさらに上級の型まで踏み込んでゆきます。この成果は、本部道場、大宮道場、多摩道場の有資格者が、自身の技と型を丁寧に“修正”して、各道場に持ち帰って上級者、中級者・初級者・初心者の全てで統一した稽古ができるよう、生かすことになります。

6月から公式行事を全面復活

 新陰流正伝上泉会は令和5年6月から、公式行事・準公式行事をおよそ3年ぶりにほぼ全面的に復活します。「COVID 2019」は全国的にいまだ克服されていませんが、公的な規制が大きく解除され、演武で参加する各地の催事も順次復活しており、地元団体との協議を経て、演武会は開催できそうです。

 まず、6月3日(土)午後には品川神社(東京)の祭礼で「新陰流兵法演武」を披露します。会員一同張り切っていますので、関心のある方々は是非ご覧になってください。同月半ばには、千葉県岩井海岸の民宿で一泊二日の「本部道場合宿」です。それぞれ3年ぶりの成果披露と研鑽となります。

武蔵一之宮演武会を3年ぶり開催

 新陰流正伝上泉会は令和5年3月12日(日)、埼玉・大宮の氷川神社で「武蔵一之宮演武会」を開催しました。コロナ禍のために3年ぶりの実施です。多摩道場からは杉森昌樹・目録が登場し、「天狗抄」と「奥義之太刀」の仕太刀を披露し、参拝客の注目を集めました。多摩指導陣では、石川宗成・師範代が「奥義之太刀」「外雷刀」の打太刀と「三学本伝」の仕太刀、金子磨古刀・教士が「三学(取上げ)」の打太刀と「三学本伝」の仕太刀を披露しました。

 他の多摩道場会員は、なお「コロナ2019」の終息状況の見極めが必要と判断するなどの理由から、参加を自粛しています。

令和5年春の「新陰流体験会」は中止

 多摩新陰流クラブ(新陰流正伝上泉会多摩道場)が2月23日(木・祝)と26日(日)に計画していた、令和5年第1回「新陰流剣術の体験会」は中止します。指導員の複数が体調不良に陥ったためです。次回は今年8月に計画しますので、ご希望の市民はしばらくお待ちください。 

杉森昌樹「目録」 令和5年上泉会新年演武会に参加

 令和5年1月7日(土)、新宿コズミックセンター(東京)で「新陰流正伝上泉会新年演武会」が開催され、多摩道場の会員・指導員も日頃の成果を参加者の前で披露しました。

 演武会冒頭に伝位授与があり、内伝1名、目録3名が島正紀上泉会師範長から伝位書の手交を受け、多摩会員では杉森昌樹が生え抜きとして初の「目録」に正式に名を連ねました。目録になった杉森は「三学円之太刀」と「天狗抄」の仕太刀に立ち、指導員である内伝・教士の金子磨古刀は「三学円之太刀(本伝)」の仕太刀、同じく内伝・教士の石川宗成は「天狗抄」「三学円之太刀(本伝)」の打太刀と「奥義之太刀(本伝)」の仕太刀を務めました。多摩道場長の川部正昭は「三学」「三学(本伝)」「天狗抄(本伝)」の打太刀と「三学円之太刀(本伝)」の使太刀を披露しています。

 演武終了後は、近くの中華料理店でコロナ禍に配慮してささやかな新年会を催し、会員の健康・技の向上と上泉会の発展を祈念しました。

少年部で制剛流抜刀術の稽古開始

  令和4年12月から、少年部でも制剛流抜刀術の稽古を始めました。まだ基本の礼法や居合刀の扱い基本を学ぶ段階ですが、順次、太刀の使い方・切り方へと訓練を進めます。使う居合刀は、少年の体格に合わせて脇差サイズのものを貸与しており、無理のない太刀の扱いを心掛けています。

令和4年上泉会演武大会に参加

 令和4年11月3日(祝日)、靖国神社能楽堂(東京・千代田)で「第13回新陰流正伝上泉会演武大会」が開催され、多摩道場の会員・指導員も日頃の成果をざっと百人の観客が見守る前で披露しました。

 多摩会員では、天狗抄奥の志水祥介が「外雷刀」「奥義之太刀(内伝)」の仕太刀に臨み、内伝・師範代の石川宗成が内伝「続雷刀」「中段十四勢」の打太刀と「奥義之太刀(本伝)」の仕太刀、制剛流抜刀術の「居合裏」と存分に活躍しました。内伝・教士の金子磨古刀は、演武会劈頭を務める花形である「鎧武者演武」で「三学円之太刀」の仕太刀に立ったほか、新陰流「九箇之太刀(本伝)」の仕太刀となりました。

 道場長の川部正昭は、内伝の「三学」「奥義之太刀」と本伝「七太刀」の打太刀と「九箇之太刀」の使太刀を披露しています。また、少年部会員の戸田建広は、今回は演武参加は見送り、見取り稽古の形で、上泉会会員の力量を保護者と主に感じ取っています。

 演武終了後は直会に移り、コロナ禍を配慮しつつ、地味ながら懇親を深めました。

杉森、志水の両会員が制剛流「中伝」に

 令和4年11月吉日、多摩道場の杉森昌樹と志水祥介の両会員が揃って制剛流抜刀術「中伝」審査をパスしました。「居合裏」の児手柏(このてがしわ)、連足(つれあし)、開抜(ひらきぬき)、巻切(まきぎり)、磯之波(いそのなみ)、下藤(さがりふじ)、屏風返(びょうぶがえし)の7技を身につけたことが認められ、今後は「立合表」の直刀(すぐのかたな)、順抜(じゅんぬき)の2技の習得と、居合表・居合裏の練度の向上に取り組みます。

令和4年上泉会合同合宿を開催

 新陰流正伝上泉会は令和4年10月1日(土)~2日(日)、群馬県前橋市内で恒例の合同合宿を開催しました。初日は県生涯学習センター体育館で4時間の集中稽古、2日目は午前に同じ場所で稽古、昼からは新陰流流祖である上泉伊勢守信綱の菩提寺である西林寺(前橋市)で、法事と墓前演武を無事執り行いました。多摩道場関係者の演武は、「三学円之太刀」(本伝)を石川宗成(内伝)、「九箇之太刀」(本伝)を金子磨古刀(内伝)が仕太刀に立ち、それぞれ川部正昭(師範)が打太刀を務めました。

 コロナ禍での開催のため慎重な準備をしましたが、自粛会員もかなりの数が出て、参加者は例年を下回る30名弱にとどまりました。しかし、若手会員など初中級の会員の稽古と墓前演武が予想以上に充実したものとなり、大きな成果が上がったと評価できます。楽しみにしている稽古・演武後に設ける懇親の席は短いながら確保できたものの、残念ながら、個々人の技量と型、新陰流の歴史の伝承に大きく寄与する、人気の「座学」は断念せざるを得ませんでした。

  例年なら複数で技量を錬磨・披露する多摩道場からは、道場長の川部のみが参加し、打太刀指導と演武に汗を流しました。改めてコロナ禍に恨み節を上げています。

令和4年夏の「新陰流体験会」は中止

  「新陰流剣術の体験会」は、春夏の年2回、小学生からシニアまで、積極的な参加が続いていました。これまでの開催では、壮年やシニアのほか女性や親子が参加した、幅広い市民サービスとなって、継続できています。今回中止となった体験会の当初開催計画領は以下の通りでした。  

1、名称  剣術「新陰流」体験会

2、日時・場所  令和4年 8月25日(木) 午後7時~8時15分

               場所: 八王子市立由井第二小学校体育館(八王子市片倉町)

              8月28日(日) 午前10時~11時15分 

多摩道場に「少年部」開設 小学5年生が入会

 新陰流正伝上泉会多摩道場の「少年部」に令和4年5月、八王子市内の小学校に通う5年生の男子が入会しました。とても熱心に稽古に取り組み、基本の体力チェックと礼儀作法の勉強から、基本技だけではなく、早くも初歩の型太刀である「三学円之太刀」(取り上げ使い)の習得に進んでいます。6月初めの稽古には「一刀両段」「斬釘截鉄」から「半開半向」へと踏み進みました。

 豊かな才能を感じますが、じっくりと新陰流の術理を学んで、基礎体力のトレーニングと日本文化の習得へと進むよう、指導することにしています。

本部道場35周年記念演武に参加

 新陰流正伝上泉会は令和3年8月28日(日)、「道場創立35周年記念演武会」を墨田区立総合体育館(東京・墨田)武道場で開催しました。島正紀会長・師範長以下、約40名が顔を揃え、多摩道場からも指導陣と主力会員が参加して、全員で日頃の成果を披露して互いに、見届けました。

 多摩道場の会員演武は、新人の黄冠熹が「三学円之太刀(取り上げ遣い)」の使太刀を、道場長の川部正昭(師範)が打ち太刀に立ち、天狗抄奥の志水祥介が「燕飛」の使太刀を、石川宗成(師範代)が打ち太刀に立ち、天狗抄奥の杉森昌樹が「三学円之太刀(下から遣い)」の使太刀を、川部正昭が打ち太刀に立ちました。また、多摩指導陣の金子磨古刀(本目録)が「九箇之太刀(本伝)」の使太刀を、川部正昭の打ち太刀で演じました。さらに、皆伝者演武では川部正昭が「九箇之太刀(本伝)」の使太刀を、長谷川俊之(上席師範)の打ち太刀で演じています。

 なお、多摩指導陣で活躍する石川宗成(内伝)が、冒頭の伝位・称号授与式で「師範代」の称号を允許され、いよいよ上泉会幹部として活躍することになります。多摩道場での期待も一段と大きくなります。

令和3年の「新陰流体験会」を開催

小学生からシニアまでが楽しみました

 今年1回目の「新陰流剣術の体験会」は、新型コロナウイルス緊急事態宣言の期間でしたが、8月後半に予定通り開催できました。参加したのは、八王子市内に住む小学一年生の女子から70歳代の男性シニアまで、2回の申し出も含めて述べ10名でした。うち2名からは「緊急状況下のため」を理由に直前の参加取り止めがあり、いつもより難しい運営でした。今回も、多摩新陰流クラブの幹部会員が手分けして、基本知識と基本技の入り口を一人一人に紹介し、実技体験を指導しています。参加した方々には新陰流の奥深さと面白さをかなり楽しんでもらえたことと思います。 

 多摩新陰流クラブ(新陰流正伝上泉会多摩道場)は、今年1回目の「新陰流剣術の体験会」を8月に、以下の要領で開催します。新型コロナウイルス感染を避けるために開催が春からずれ込みましたが、今回も小学生からシニアまで、積極的な参加を呼び掛けます。これまでは親子や女性が参加して、趣の変わった市民サービスができました。関心のある方はぜひお問い合わせ・ご参加ください。

 開催要領は以下の通りです。

1、名称  剣術「新陰流」体験会

2、日時・場所  令和3年 8月22日(日) 八王子市由井市民センターみなみ野分館多目的室

                午前10時~11時15分

              8月26日(木) 八王子市立由井第二小学校体育館

                午後6時45分~8時 

多摩道場初の外国人会員が誕生

 令和3年4月、台湾から来日して八王子市内のメーカーに勤める30歳代の男性エンジニアが、多摩道場に正式入会しました。身長は180cm、体重は100kgをゆうに超える偉丈夫で、最初の竹刀使いでも迫力十分の打ち込みを見せています。日本文化に関心が強く、剣術は初めての出会いで虜になったほどで、将来は外国籍門人の手本になだろう、と十分に期待できる逸材です。多摩道場では初めての外国人会員の誕生です。前年暮には多摩道場に女性会員が誕生しており、多彩な人材が相次いで加わることになります。本部道場ではかつて女性会員、外国人会員が在籍してことがありますが、多摩道場もようやく一人前の体裁と稽古・指導、外部アピールが積極的に進められます。

本部道場に新しい皆伝者

 新陰流正伝上泉会は令和3年1月9日、新年演武会を開催し、冒頭に江川克弘(本部道場・師範代)に「皆伝」が伝授されました。現在活動する皆伝者はこれで計8名となり、上級者の陣容が一段と強化されました。ご期待ください。写真をフォトギャラリーに掲載しています。 

 また、多摩道場で指導にたっている金子磨古刀(本目録)に「教士」の称号が允許され、会員の稽古環境が一段と充実しました。

女性会員が誕生

 令和2年12月、多摩道場に30代女性が入会し、稽古に取り組み始めました。前月の体験会に参加した経験から、魅力を感じ取ったのが直接の動機です。多摩道場では初めての女性メンバーになり、会員一同、喜んで仲間に迎え入れています。

 新陰流正伝上泉会では女性の皆伝者が2名(男性は8名)誕生していますが、このところ女性の数が少なくなっていたところです。寒中稽古でスタートしました。勢法は「取上げ使い」から「下から使い」へと進むことになり、慌てず体を慣らしていけるよう、期待しています。


上泉会創立10周年記念演武大会に参加

 新陰流正伝上泉会は令和2年10月25日(日)、靖国神社能楽堂(東京・千代田)で創立10周年記念「新陰流兵法演武大会」を開催し、多摩道場からも精鋭が参加しました。多摩関連の写真はフォトギャラリーに掲載しています。

 多摩道場筆頭会員の杉森昌樹・天狗抄奥は、<会員演武1部>で「三学(下から使い)」の仕太刀に立ち、金子磨古刀・本目録准教士が打太刀を務め、次に「小太刀 下段七勢」の仕太刀に立ち、石川宗成・内伝教士が打太刀を務め、完成度を上げた勢法を示しました。また、<会員演武2部>で指導陣の高橋清・内伝教士が「天狗抄本伝」、金子が「七太刀」、石川が「天狗抄本伝」の仕太刀に立って、それぞれ日ごろ稽古の成果を存分に発揮しました。

 多摩道場長の川部正昭・皆伝師範は、まず甲冑に身を包んだ姿に変えて、戦国時代の戦闘を彷彿させる冒頭の<鎧武者演武>で「三学円之太刀本伝」の仕太刀を披露しました。次に、<制剛流抜刀術演武>では「立会表・裏」を並び遣いで演じ、<皆伝者演武>では「九箇之太刀本伝」の仕太刀(打太刀は長島常光・上席師範)に臨んでいます。

 演武会は上泉会10周年記念ということで、多彩な内容が盛り込まれ、境内の菊祭りに訪れていた多くの人が観客となってくれました。初心者から熟練者までの演武は、今年の新型コロナウイルスの邪気を払うのに十分な、精気に満ちた神聖な催しとなった、と確信しています。

ルーツの日経新陰流クラブ創立34年

 令和2年は、新陰流正伝上泉会が創立10周年、多摩新陰流クラブ・新陰流正伝上泉会多摩道場が創立5周年、そのルーツである日経新陰流クラブ(現・新陰流正伝上泉会東京道場)が創立34年目にあたります。今秋を中心に記念行事を計画しており、「新陰流兵法記念演武大会」「流祖上泉伊勢守の法事」「記念誌 の発行」などが決まっています。機関紙「しんかげ」の創立10周年記念号は1月10日に発行済で、会員と一部関係者に配布しています。記念行事の開催にあたっては随時トップページで報告します。

多摩指導陣の石川が「内伝」に昇位

 多摩新陰流クラブ(新陰流正伝上泉会多摩道場)の指導陣の一角を担っている石川宗成・教士が令和2年1月、島正紀・上泉会師範長より「内伝」位を伝授されました。皆伝に次ぐ高位であり、若手実力者として上泉会でも一目置かれれる存在で、高橋清・教士と共に今後、打太刀の中核を占めます。

品川神社例大祭で初の演武披露

 令和元年6月8日(土)、品川神社(東京・品川)の例大祭中日に舞殿とその前で「新陰流奉納演武」を、約1時間半にわたって披露しました。同社は、天下分け目の関ヶ原合戦に臨んで徳川家康が戦勝祈願し、成就の御礼にお面と葵神輿とを寄進したことで、今も祭りの中心にはこの御品が中心をなしています。東京では数少ない新陰流と柳生家に縁の深い場所です。今回は初めての演武披露で、梅雨の晴れ間に会員の力強い動きで観衆を魅了し、成功理に奉納できました。

 多摩からの参加は、指導陣の川部正昭(師範)、高橋清(教士)、石川宗成(教士)、金子磨古刀(准教士)の4名で、それぞれが打太刀・使太刀に立って、本伝と試合勢法を中心に技量を示しています。  

北条五代まつり演武に参加

 令和元年5月3日(祝)午後1時半から、北条五代まつり(神奈川県小田原市主催)に協賛して「新陰流兵法演武」を披露しました。戦国の武闘そのものの「鎧武者演武」を皮切りに「内伝」と「試合勢法」の型演武まで約1時間にわたって、新陰流の術理内容がほとんど分かる構成にしました。

 新陰流の流祖・上泉伊勢守の嫡男が剣術師範を努めた後北条氏への謝意を込めて、昨年から参加している行事で、今年は2回目です。多摩道場からは川部正昭と金子磨古刀の指導陣が選抜チームに加わり、川部が「三学之円之太刀本伝」と「九箇之太刀本伝」、金子が「七太刀」と「続雷刀七勢法」をそれぞれ披露しました。北条五代まつりは小田原城を中心にした同市の最大イベントです。武者行列が最大の呼び物ですが、城内広場での新陰流演武も、外国人観光客を含め常時50人以上が取り巻き、大きな関心を集めました。砂利の上での野合戦さながらの迫力ある演武が続き、時折り歓声も上がる熱心な観客に、演武者も鼓舞される催事に盛り上がりました。 

武蔵一之宮氷川神社「演武」に参加

 平成31年3月3日(日)、新陰流正伝上泉会が主催する「武蔵一之宮氷川神社 奉納演武」に多摩道場の指導陣も参加して、日頃の成果を披露しました。同神社での演武は初めての試みで、午後1時半~3時半に、鎧武者演武を含めて、計27の勢法に取り組みました。

 あいにくの雨天にもかかわらず、かなり寒さの中、会場の舞殿の周辺に常時20人程の見物人が参集して熱心に見守り、アマチュア写真撮影も多く見受けられました。会員には、狭い舞台での寒中の演武は、勉強すべきことの多い催しとなりました。

 多摩道場からは、道場長の川部正昭が「九箇之太刀本伝」の使太刀と「七太刀」「天狗抄本伝」のそれぞれ打太刀を努め、教士の高橋清が「天狗抄本伝」の使太刀と「三学(下から)」「奥義之太刀内伝」のそれぞれ打太刀、准教士の金子磨古刀が「三学本伝」の使太刀と「三学(取り上げ)」「中段十四勢」のそれぞれ打太刀、を努めました。 

杉森、原田の両名が「天狗抄」に昇位

 平成30年12月、多摩道場第1期生の杉森昌樹、原田正男の両名が「天狗抄」位を伝授されました。これで、小転位までに鍛錬した初級の勢法(かた)から、本格的な試合勢法を身につける中級の勢法へと進みます。「三学」から始まった術技の経験を改めて見直して基礎を完成し、難しい体捌きもできるように厳しい稽古が要求されます。これから1年間ほどは自分との戦いになるため、足踏みするケースもある期間が続きます。新陰流は「本伝」中心の剣術です。正伝上泉会の他の会員も励んでいる中で、“多摩道場の竜虎”として責任も大きくなります。期待はこれまで以上に膨らんできます。 

体験会を楽しみました

 平成30年夏の「新陰流剣術体験会」を、8月19日(日)と同23日(木)の2日間に分けて開催しました。

 今回の特徴は、合気道、居合、薙刀といずれも武道経験者が参加したことです。新陰流兵法の歴史や型、用具などを簡単に解説したのち、実際に袋竹刀を使って、素振りや初心の練習太刀を体験してもらいました。質問は、技の数や形、変遷、止めの打ち方など、かなり専門的なものもあり、新陰流の意義を掴もうとする様子でした。多摩新陰流クラブ・新陰流正伝上泉会の稽古日に関する質問まで飛び出し、大変興味深く体験会を楽しんでもらえた様子です。

 事前PRは当ホームページと八王子市広報紙の催し告知欄のみでした。今回の催しは、地元情報紙への掲載依頼が締め切りに間に合わず、楽しみ中心の市民参加は限られたようです。いつもの体験会は武道未経験者が中心だった問い合わせが多かったのとは大きく変わり、参加者の変動もそのためかと思います。主催者も新陰流の弘流(流派を広めること)で勉強になりました。 

支部長の川部が「師範」允許

 平成30年1月13日、多摩支部長の川部正昭が新陰流正伝上泉会の島正紀会長より「師範」の称号を允許されました。これによって、多摩支部の評価が上がり、稽古が一段と充実したものになります。

 いつもの稽古は、内伝・教士の高橋清のほか、本目録(同日に昇伝位)・准教士の石川宗成、目録・准教士の金子磨古刀の指導陣が支えながら、小転・杉森昌樹、小転・原田正男、大転・志水祥介、大転・青木伊之のほか、東京道場や大宮道場からの応援会員の出稽古によって、実り多いものに育っています。

 冬の多摩新陰流クラブの稽古は正直、かなりの寒さに耐えながらの真剣勝負です。暖房なしの稽古空間は古武術の貴重な体験を否応なしに与えてくれます。なまじの根性では音を上げるかもしれませんが、会員は意気軒昂に取り組んでいることが誇りです。 

支部から「多摩道場」へ発展

 新陰流正伝上泉会の多摩地区拠点は、平成30年1月から「多摩道場」となりました。責任者である皆伝・川部正昭が「師範」を允許され、稽古体制が充実してきたことに伴い、支部から道場へと昇格したものです。道場会員一同、一段の発展をめざす覚悟で張り切っています。

 1月26日夜には、「新年会」と「道場発足祝賀の会」をJR八王子駅近くの焼き鳥屋で開き、鳥三昧の酒盛りを催しました。くだんの焼き鳥屋は地元の名物飲み屋で、多摩支部発足時など節目にも利用してきた“同志”です。私たちの会は地域密着の精神を変えずに、昨年秋からの町田・相原地区に加え、今年は相模原地区にも活動範囲を広げるつもりでおります。更に地元の皆様にはご支援お願い致します。

 地元自治体への登録団体名は、八王子地区が「多摩新陰流クラブ」(代表は道場長・川部正昭)、町田地区が「町相新陰流クラブ」(代表は小転・杉森昌樹)で従来通りです。  

「町相新陰流クラブ」活動開始

 多摩地域での「新陰流」活動を盛んにするため、「町相新陰流クラブ」が活動を始めました。代表者は新陰流正伝上泉会多摩支部に在籍する杉森昌樹(小転)、世話人は同じく川部正昭です。稽古場所はJR横浜線・相原駅に近い町田市立相原小学校の体育館を中心に設定します。平成29年10月までに学校側と施設運営委員との打ち合わせを経て、同体育館の使用許可が出ています。町田市民はもとよりJR・京王線橋本駅に近い相模原市民の参加を期待しての新展開です。

 稽古は今月から原則、金曜日の夜2時間を予定しています。初日は11月3日(金)午後6時45分からでした。月に2~3回の稽古日を設定することになります。今後のスケジュールは本HPの<稽古予定>欄で確認してください。活動の新展開に伴い、新陰流正伝上泉会多摩支部の稽古は、従来からの八王子片倉地区を中心としたものに加えて、毎月6回前後に増え、会員の力量向上が一段と促進されるはずです。 

小田原城址で初めての演武

 平成29年8月26日(土)午後、新陰流正伝上泉会が神奈川県小田原市の小田原城「風魔まつり」で演武を披露しました。多摩支部の指導陣も酷暑の中で、打太刀に使太刀に熱演しました。演武の内容は、

  支部長  川部正昭(皆伝) 「三学円之太刀本伝」「七太刀」「小太刀」「続雷刀」「相雷刀八勢」

                の打太刀、「九箇之太刀本伝」の使太刀

  指導員  金子磨古刀(目録)「奥義之太刀内伝」「小太刀」の使太刀

 小田原は、新陰流の流祖・上泉伊勢守とは因縁の深い土地で、後北条家の藩士に自ら剣術指南しただけでなく、子供・孫も藩の師範として長らく流派を普及した歴史があります。小田原城での演武は初めてです。ざっと450年ぶりに本筋の新陰流が演武されたことになり、大変意義深い催しとなりました。 

創立30周年記念演武会に参加しました

 平成28年9月3日(土)、「東京道場創立30周年記念演武会」が東京・千代田(ちよだパークサイドプラザ体育館)で開催されました。新陰流正伝上泉会多摩支部である「多摩新陰流クラブ」も会員が参加し、20名近い来賓の前で演武を披露しました。

<多摩会員の演目>

 「三学(取り上げ)」 原田正男(使太刀)  石川宗成(打太刀)

            杉森昌樹(使太刀)  高橋清(打太刀)

 「下段八勢」     金子磨古刀(使太刀) 高橋清(打太刀)

 「外雷刀三十一勢」  石川宗成(使太刀)  川部正昭(打太刀)

 金子磨古刀が「七太刀」「天狗抄」の各使太刀

 石川宗成が「続雷刀八勢・三勢法」の使太刀と「相雷刀八勢」の打太刀

 高橋清が「三学円之太刀本伝」の使太刀と「続雷刀七勢法」の打太刀 

 川部正昭が「九箇之太刀本伝」の使太刀と「続雷刀七勢法」「小太刀下段・雷刀変」の打太刀 

川部が「皆伝」、金子が「目録」に昇伝位

 平成28年9月3日、「東京道場創立30周年記念演武会」が東京・千代田で開催され、冒頭に伝授授与式が催されました。来賓の見取りのもと、

  川部正昭(多摩支部長、多摩新陰流クラブ世話人)が「皆伝」(使太刀の最高位)

  金子磨古刀(多摩支部指導員)が「目録」

を允許され、口伝書と伝書集を授かりました。今年正月に石川宗成が「目録」を允許されたのに続くもので、多摩の指導陣の技量向上が認められた成果です。金子は多摩支部の指導陣に正式に加わります。 

 

 

2016年4月以前のニュースは別掲載

第6回新陰流兵法演武大会

平成27年5月31日午後0:15~5:00  靖国神社(東京・九段)能舞台

 

新陰流の真髄が次々と披露されます。流祖・上泉伊勢守が編み出した「本伝」は、戦国の時代に実際に使われた術理を今に伝えるもので、必見モノです。稽古型である「内伝」「試合勢法」は、会員が日々研鑽を積んで身に付けつつある技の数々で構成されています。現代の新陰流の姿を理解していただけます。

とりわけ、甲冑を着けた戦国武将姿で実演される「介者演武」は、戦場で戦う武士の姿を再現する必見の演武です。演武会の冒頭で登場しますから、見逃さないように早めのご参集をお勧めします。

 

☆ 多摩新陰流クラブで「抜刀術」「仕込杖」の稽古を開始!

 新陰流と共に、制剛流抜刀術と新陰流仕込杖の稽古を始めました。3つの技と型には共通する部分が多く、幅広く武術を体得できるようになります。当然、いずれも体術の裏打ちが有りますから、体幹は一段と重要さを増し、日本武術の深淵にさらに近づくことになります。 

甲冑演武


第6回全国演武会(靖国神社)