新陰流正伝上泉会

 

<新陰流正伝上泉会とは>

 🐯令和7年(2025年)は創立16年目を迎えました。令和2~3年には、新型コロナウイルスの拡散に負けず、新教範の発行、記念演武大会や流祖墓参など多彩な行事に取り組み、令和2年10月には流祖・上泉伊勢守の菩提寺である西林寺(前橋市)に創立10周年記念掲額をし、上泉会の活動ぶりを墓前と法事で報告しました。令和3年下期は上泉会新陰流兵法演武大会、新教範出版記念祝賀会などを開催しています。令和4年から5年には、新年会を例年通りに催した後、新型コロナウイルスの蔓延によって、各地で夏場に予定されていた祭礼に協賛する上泉会演武が主催者決定で軒並み中止となり、通常稽古に集中。10月の上泉会合同合宿(前橋市)、新陰流兵法演武大会(靖国神社・能舞台)がようやく実施できました。また令和5年初には、中堅会員から「内伝」位が1名、「目録」位が3名、一挙に誕生する目出度い年となりました。令和6年には、各地の催事が順次復旧したうえ、8月にタイ支部の世話役でもある皆伝者が誕生。令和7年正月には、2名の皆伝者が同時誕生の目出度い年明けとなりました。演武会は正月から相次いで各地で実施できる復活の年になりつつあります。 

 最新の主な活動の様子や予定など詳細は「新陰流正伝上泉会」HPを!

   shinkageryu-kamiizumikai.com

 

<行事の回顧>

 🐯令和6年は、1月に上泉会新年演武・新年会、3月には「武蔵一之宮氷川神社(大宮)演武会」を催しました。5月の「北条五代まつり(小田原)協賛上泉会演武」は、主催者が外部出演事業を中止したため、上泉会の出番は無くなりました。「滝の城まつり(所沢)協賛上泉会演武」は5月19日(日)に3年ぶりに開催。6月には「品川神社(東京)演武会」と「本部道場合宿(千葉)」を実施しました。

 新型コロナウイルス禍は、第10波をもって終息の政府宣言が出たものの、令和6年夏には再び感染者が増える様相が見えて、なお予断を許さない状況となりましたが、9月には「創立記念演武会」を開き、例年通りに「上泉会合同合宿、流祖墓参・墓前演武」を前橋市内と上泉伊勢之守の菩提寺である西林寺で執り行いました。11月には「新陰流兵法演武大会(靖国神社)」へと進みました。多摩道場も協調して、高弟たちが准教士に名を連ねて各行事に参加し、公式行事を盛り上げました。

 令和7年も公式・準公式の諸行事がシーズンを追って展開できる見通しです。

 

<入会者の拡大にPR強化>

 🐯新型コロナウイルスが令和6年春になってようやく下火になりつつあります。しかし、過去3年間の上泉会の活動は低調にならざるを得ませんでした。そこで、SNSを大いに活用するPRに、本部道場がまず取り組んでおり、多摩道場も遅れじと続きます。

 新型コロナ緊急事態宣言の期間前後は、「にもかかわらず」と言うべきか、「に打ち勝つべく」と言うべきか、令和2年10月から令和3年末までの1年3か月間に、本部道場に5人、大宮道場に1人、多摩道場に3人のそれぞれ入会者が誕生しました。10歳代の女性から70歳代の男性シニアまで多彩な人材が新たに加わり、稽古場が狭くなるほどでした。令和4年以降も小学生を含めた入会者が続きましたが、令和5年からはその勢いが衰えています。このところ、本部道場も多摩道場も、稽古の場と時間を増やしており、会員増強を図り、新陰流正伝上泉会は益々発展を目指します。

 

<日頃の稽古>

 本部道場(東京)、大宮道場(さいたま)、多摩道場(都下)で定例日を中心に稽古を積んでいます。見学は、各道場の総括幹事や道場長に日程や場所を確認して、電話やメールで申し込んで、ご来場ください。会員に声を掛けてもOKです。体験会などは各道場のSNSやHPをご覧ください。

 

<新教範『詳解 新陰流兵法教範』を発行>

 著者は島正紀・新陰流正伝上泉会師範長。令和2年6月発行、A5版の253ページ建て、頒価4千円。構成は序論「新陰流の基礎知識」、第1編「初級の太刀」、第2編「中級の太刀」、第3編「打太刀の要点」となっており、従来の使太刀を中心した解説から、内伝と試合勢法における打太刀を重視した内容へと前進しています。歴史的に秘伝とされた術理の一部まで、教範として公にしているので、間違いなく注目度の高い書物です。現在は上泉会の関係者以外には販売していません。

 

<会員向け機関紙『しんかげ』の発行」>

 🐯電子版の季刊です。最新の第46号は令和7年1月5日発行で、巻頭言が「三太夫を排す 会長・島正紀」俳句春秋が「創立15周年祝句 上泉德雄」、特集1「上泉会創立15周年靖国演武大会」、特集2「前橋合同合宿」のほか、「令和6年伝授」「役員会報告」「打太刀講習会の報告」「新陰流のことば㊱」「道場便り 本部・大宮・多摩」「令和6年の一字」「武道余話・随想」などの内容で、18頁建てです。

 この前の第45号は令和6年10月7日発行で、巻頭言が「上泉会創立15周年に向けて 副会長・佐藤穣」、特集1「上泉会創立14周年・本部道場創立38周年記念演武会」、特集2「本伝教範の発行」のほか、「新陰流普及部の活動報告」「上泉会ホームページの作業報告」「役員会報告」「打太刀講習会の報告」「新陰流のことば㉟」「俳句春秋」「道場便り 本部・大宮・多摩」「皆伝の心目」「武道余話・随想」などの内容で、18頁建てです。

 第44号は令和6年7月2日発行で、巻頭言が「兵法家伝書と新陰流 副会長・長島常光」、特集1「『精解 新陰流兵法本伝教範』出版にあたって 島正紀師範長」、特集2「滝の城演武会の報告」、特集3「品川神社演武会の報告」、特集4「本部道場合宿の報告」のほか、「令和5年度決算報告」「役員会報告」「打太刀講習会の報告」「新陰流のことば㉞」「俳句春秋」「道場便り」「皆伝の心目」「武道余話・随想」「バックナンバー⑧」などの内容で、20頁建てです。第43号は令和6年4月5日発行。巻頭言が「太刀先の軌跡 副会長・長谷川俊之」、特集1「令和6年新年演武会の報告」、特集2「氷川神社演武の報告」、特集3「上泉会広報の改訂と強化」のほか、「上泉会今期役員補佐」「役員会報告」「打太刀講習会の報告」「伝位・称号の授与」「新陰流のことば㉝」「俳句春秋」「道場便り」「皆伝の心目」「武道余話・随想」「バックナンバー⑦」などの内容で、20頁建て。第42号は令和6年1月5日発行。年頭所感が「上泉会のこれから 会長・島正紀」、特集1「上泉会演武大会の報告」、特集2「令和5年合同合宿の報告」ほか、「勤福フェスタ演武の報告」「上泉会今期役員」「役員会報告」「打太刀講習会の報告」「新陰流のことば㉜」「俳句春秋」「道場便り」「皆伝の心目」「武道余話・随想」などの内容で、16頁建です。上泉会活動の報告や会員の随想などを記し、記録作成と交流を図っています。

 

流祖菩提寺の掲額と法事

This is Shinkage-ryu Kamiizumikai(新陰流英文紹介)

 "Shinkage-ryu"  is one of the representative schools of   "kenjutsu"  ,  a swordsmanship in Japan which was founded by Kamiizumi Isenokami Nobutsuna more than 450 years ago .

Our  "Shinkage-ryu Shoden Kamiizumi-kai"  was established with the aim of  honoring the founder ,

 Kamiizumi Isenokami Nobutsuna , and of  spreading his brilliant achievement .

At the same time , we are working to focus on inheriting the Shinkage-ryu correctly in the way as it was founded both technically culturally .

All members are practicing to accomplish the ultimate goal of mastering  "Honden"  (the techniques which were established in an actual fight with buckled on armor) , which was inherited from the founder to the second , Yagyu Sekisyusai .

 

<作成と翻訳 内伝・田中宏幸 2017年9月作成>

 新陰流は、今から450年以上前に、上泉伊勢守信綱によって創始された、日本を代表する剣術流派の一つです。我々、新陰流正伝上泉会は、新陰流の流祖・上泉伊勢守信綱に敬意を表し、その輝かしい功績を世に広めることを目的として、設立されました。同時に、新陰流を技術的にも文化的にも創流当時の形で、正しく継承していくことに焦点を当てて活動しています。会員は、流祖から二代目の継承者である柳生石舟斎へ伝えられた「本伝」(鎧を着た実戦の中で確立された技)の習得を最終目標に、稽古を積んでいます。

 

 

島 正紀(しま・まさき)  新陰流正伝上泉会 会長・師範長   

 1942年 東京生まれ

 1986年 新陰流入門

     「日経新陰流クラブ」を設立して会長

 1997年 新陰流皆伝師範

 2010年 「新陰流正伝上泉会」発足とともに会長・師範部長

 2020年 上泉会創立10周年を経て、会長・師範長・本部道場代表

 2024年 新陰流「本伝教範」を上梓

 

 <主な資格・著書>

  制剛流抜刀術師範

  合気道六段

  著書  『精解 新陰流兵法本伝教範』(令和6年4月発行)

      『詳解 新陰流兵法教範』(令和2年6月発行)

      『新訂 新陰流兵法教範』「制剛流抜刀術入門」「活人剣聖 上泉信綱」(小説)など

 

『精解 新陰流兵法本伝教範』目次

「はじめに」 5頁

第一章  12頁  燕飛「燕飛六箇之太刀」

第二章 25頁  七太刀「七太刀」 

第三章 32頁  参学「三学円之太刀」

第四章 43頁  九箇「九箇之太刀」 

第五章 55頁  天狗抄「天狗抄太刀数構八」 

第六章 66頁  奥之太刀「奥義之太刀」「別伝奥義之太刀(使太刀、打太刀交換替の型)」 

第七章 79頁  弐拾七箇条截相「切合二十七箇条」 

第八章 97頁  奪刀法「奪刀法」「坐奪刀法」 

第九章 102頁  外勢法拾遺「秘伝三勢法(続雷刀)」「両刀」「火砲勢」 

第十章 110頁  新陰流に付属する武術「制剛流抜刀術口伝書」「制剛流抜刀術」

          「新陰流仕込杖遺様目録口伝書」「新陰流仕込杖(十兵衛杖)」 

参考文献 144頁

(1)『柳生新左衛門尉宛一国一人印可状』

(2)『柳生宗厳宛 「影目録」抄』

(3)『新陰流兵法口伝書内伝』

(4)『新陰流 兵法截相口伝書注解』

(5)『新陰流の源流ーー七太刀研究』

「あとがき」 190頁

 

創立10周年記念演武大会の記念撮影

 

 

新陰流正伝上泉会の太刀と伝位 

 <伝位>       入門 大転 小転 天狗抄 天狗抄奥 目録  本目録 内伝  皆伝

             (昇位は稽古期間と習熟度で進む)

 <太刀>

三学(取り上げ)     ○  ○          ◎    ◎   ◎   ◎     

相雷刀八勢        ○  ○  ○   ○    ◎    ◎   ◎   ◎

九箇(取り上げ)     ○  ○          ◎    ◎   ◎   ◎

中段              ○  ○   ○    ◎    ◎   ◎   ◎

下段              ○  ○   ○    ◎    ◎   ◎   ◎

後雷刀             ○  ○   ○    ○    ◎   ◎   ◎

三学(下から)         ○  ○   ○    ◎    ◎   ◎

九箇(下から)         ○  ○   ○    ◎    ◎   ◎

燕飛              ○  ○   ○    ◎    ◎   ◎

続雷刀十八勢          ○  ○   ○    ◎    ◎   ◎

小太刀(下段・雷刀)      ○  ○   ○    ◎    ◎   ◎

天狗抄                 

外雷刀             

七太刀             

二十七箇条           

奥義之太刀内伝         

燕飛本伝                             ◎    ◎

三学本伝                             ○    ◎

九箇本伝                             ○    ◎

天狗抄本伝                            ○    ◎

奪刀法                           

座奪刀法                          

秘伝三勢法                         

両刀                            

奥義之太刀本伝                               ◎

火砲勢                          

                                                  ○・・・使太刀の修練  ◎・・・打太刀・使太刀の修練   「皆伝」は稽古全般の指導 と研究

 

新陰流正伝上泉会の称号

師範    伝位「皆伝」以上、師範部で決定

師範代   伝位「内伝」以上、同上、

教士    伝位「本目録」以上、同上

准教士   伝位「目録」以上、同上

 <注>称号は、打太刀に立てる資格で、責任範囲が決められています。